耕作放棄地再生プロジェクトリポート

2017年8月26日~27日 紀の川市・麻生津地区にて

「農村と食に笑顔を作りたい」をテーマに取り組んでいる「地域づくりプロジェクト」。
紀ノ川農協では農業を安定的に営める環境を整えようと、耕作放棄地の再生や新規就農・移住定住希望者の募集、農業研修・体験学習の実施など、新たな人材を求め受け入れるシステムづくりに力を注いでいます。その一環として産声をあげたのが「耕作放棄地再生プロジェクト」です。
第一弾は紀の川市麻生津地区が舞台です。耕作放棄されたミカン畑をレモン畑として再生させるため、まずは生え放題となっている雑草を刈る作業からスタートしました。

1日目・8月26日(土)

朝早く降った雨のおかげで気温が下がり、曇り空の下での比較的過ごしやすい中での作業となりました。
この日集まったのはインターンシップで紀ノ川農協に来ている学生二人・紀ノ川農協の職員を含む9名+午後からの参加者2名の合計11名です。
関東からこの研修会に参加するために来てくれた方もいました。

紀の川市麻生津地区の耕作放棄地。ご覧のように人の背丈ほどの雑草が伸び放題に伸びています。
元はミカン畑だったそうですが、雑草に埋もれてどれがミカンの木かわからなくなっています。
本来ならば紀ノ川を流れる平野が望めるはずなのですが……。雑草で遮られてほとんど見えません。

今回の研修プログラムは『耕作放棄地の草を刈ろう』です。
まずは刈払(かりはらい)機の使い方を教えてもらいます。
ちなみに草刈機と刈払機はほぼ同じ種類ですが、電動式を草刈機、エンジン式を刈払機と分けているのが一般的です。 エンジン式のほうが電動式よりもパワーがあるという違いはありますが、使い方は同じです。今回使用しているのは刈払機です。

刃(ブレード)は地面と水平にし、肩ベルトで構える位置を調整します。刃が地面と接触しないよう少し浮かせるくらいがベストです。 草を刈るときは腕でしっかり機械を固定し、体を右から左に振って草を払いながら刈っていきます。
草を刈るときの方向は右から左が基本です。ブレードの回転が左回転なので、右から左に動かすことで効率よく草を刈れる仕組みになっています。

いよいよ実践。順番にマンツーマンで教えてもらいながら実際に草を刈っていきます。
初めて触る刈払機に最初はおっかなびっくり、腰も引け気味です。うまく左右に体が振れていないので草も倒れてくれません。

でもしばらくするとこの通り、徐々にコツを掴んで草を刈ることができました。

次はのこぎりの使い方を学びます。
よく手入れされたプロ仕様ののこぎりなので、切れ味は抜群です。取扱いに注意しましょう。
草を刈り終わった場所に生えているミカンの枝を切っていきます。
片手でしっかり枝を押さえて、枝の根本付近をのこぎりで切っていきます。プロ仕様ののこぎりは余計な力を入れなくてもスイスイ切れるので、いつの間にか枝切りに夢中になってしまいました。

【厳重注意!】
刈払機を使って草刈り中の人がいる場合は絶対に近寄らないこと。かならず離れた場所で作業を行いましょう。
草刈り中、刃に当たった小石や刃の破片が飛んでくることがあります。当たったら怪我どころではなく、失明する危険性があります。
また草刈り中の人に背後から声をかけたり肩をたたくなど接触するのも絶対やめましょう。相手の存在に気付かないため、急に声をかけられたり触られたりするとビックリして反射的に機械ごと振り返ってしまうので非常に危険です。

声をかけるときは遠くから大声で呼びかけるか大きな音で気づかせてあげましょう。

2時間ほど作業をした後は休憩タイム。
たっぷり汗をかいた後の冷たいお茶が体に染みわたります。
草の汁まみれのTシャツは、今日の勲章です。

休憩を終えてもうひと頑張りした後は、カフェ・ムリーノでランチタイム。
この日のランチのテーマは「メキシコ」でした。トルティーヤがメチャ美味!
野菜たっぷりのボリューム満点ランチで身も心も満たされた気分です。

夏の間、日中の暑い時間帯はお昼寝タイムになります。曇り模様だった空もいつの間にか晴れて青い空が見えています。
境内を通りぬける風、蝉の声、さわさわと揺れる木漏れ日。何もかもが心地よくて、気が付くと爆睡していました。

休憩をしっかりとった後は午後からの作業。草刈りもずいぶん進みました。
最初の覚束ない手つきはどこへやら、全員手慣れた様子でサクサクと作業をこなしていきます。
本当は2日間かけてこの状態にするはずが、1日で予定の作業をほぼ終わらせてしまいました。

伸び放題の雑草をすっかり刈り終え、とても見晴らしが良くなりました。
とはいえ、レモン畑として復活させるにはまだまだ遠い道のりです。頑張るぞ!

紀ノ川の流れる平野が一望できる景色。本来の眺めがよみがえりました。

2日目・8月27日(日)

この日は朝から快晴。青い空が広がってとても良い気分です。
本日は、昨日刈りとった草を集めて片づける作業からスタート。熊手を使ってざくざくと雑草をまとめます。 拾えるほどの細かい葉っぱや小さな枝はゴミ袋へ。 残ったミカンの太い枝はチェーンソーを使って切り落とします。

ひとまとめに集められた草木。大量にあるのでかき集めるだけでも結構しんどいんよ。

今日はあまりにもいい天気なので、水を撒いたらこの通り虹ができました。

誰ひとりケガもなく、熱中症で倒れる人もなく、無事に2日間のプログラムが終了。
耕作放棄地再生プロジェクトに参加して、自分たちで実際に草を刈って畑をきれいにする体験ができて、とても充実した2日間を過ごすことができました。
最初は機械や道具の使い方も覚束なくてへっぴり腰の参加者の方々も、生産者さんがきちんとサポートしてくれたおかげですぐに慣れて作業に没頭していました。参加者の皆さんが「今回のプログラムに参加して良かった」と全員充実した笑顔で感想を述べていたのが嬉しかったです。
経験がなくても農業に興味があればだれでも参加できるこの取り組みを企画してよかった。これからもこの企画がきちんと続けられるよう取り組んでいきたいと改めて思いました。